下雨的日。

台湾の雨が恋しい私の身の回りで起きていること。

九份に行ってきた

三月に入りました。

台湾はこの四連休ずっと雨と曇りでとても寒かったですが、連休明けの水曜日にいきなりからりと晴れて腹が立ちました。台湾のお店は連休中しっかりと休むのでご飯を食べようと外出するも、「えっ開いてない」みたいなこと続きで暇でしたが連休明けの水曜日は全休なのでここぞとばかりに有効活用してきました。

 

九份に行ってきた!!

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千と千尋の神隠しの世界みたいなレトロでごみごみした街。映画のモデルになったのではなく雰囲気がそっくりなだけで話題になったのですが、写真をよく見ると「湯婆婆の屋敷」とかちゃっかり書いてあります…(私も今拡大してみて知った)でも本当に映画の世界みたいな感じで

 

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鳥が丸焼きになってたりとか、特にちょうちんがついていない昼間の時間帯の「千尋が迷子になってそう感」はすごいです。ただ人が多い、ほんとに多い。日本人と韓国人が八割、ヨーロッパ勢が1割、あと地元の人1割。

 

九份は日本統治時代に金鉱として栄えた街だそうで、廃坑になるにつれて廃れていきましたが台湾の映画「非情都市」の舞台になったこと、そして「千と千尋の神隠し」の雰囲気にそっくりであることから再び観光地として日の目を見るように。観光客向けの商店街を抜けると地元の人が暮らす住宅街で、喧噪が遠のいていきます。

 

歩きながらどこかに似てるなあと思ったのですが、ちょっとさわがしいソウルの北村韓屋村みたい。韓屋村の方がもう少しひっそりとしてて人が少なめかもしれない。

 

まるで「千と千尋の神隠し」の世界に迷い込んだみたい!と話題になり台北からバスで一時間ほどで行ける九份は台湾旅行の定番コースになっているみたいですが、実際行ってみると食べ歩きとお土産買うこと、そして例の湯婆婆の屋敷の写真を撮ること以外にあまりにもやることがない、ということに気づきました。

 

私は午後1時半に台北の忠孝復興駅から九份行きバスに乗って一時間くらいで九份に到着しました。

(忠孝復興駅は台北駅から青のライン板南線の南港展覧館行きで三つ目です)

バス乗り場は駅の二番出口を出て大きな横断歩道を渡ったところ。タクシーの運転手の客引きがすごいですがバスの方が安いです(片道95元くらい)。

 

到着したのは午後3時くらい。まだ日も高かったので先にご飯を食べ

 

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滷肉飯。40元くらい。

 

しかもこれを食べたお店に可愛い看板わんこがいてしばし癒されました…。人に慣れてて触ってもおとなしく触られている。

 

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若干ぶれてる(スマホを安価なシムフリーに変えたら画質と手ぶれ補正機能が最悪で驚いています)。

 

少しだけお店で休んでから改めて散策に出ましたが、観光客向けの市場は他の台北の夜市と同じ感じです。観光客向けの夜市は物価はそんなに安くないです。九份でも売っているものは他の夜市とそんなに変わらないうえに値段も同じくらい。旅行で来るんだったら買ってもいいけど貧乏学生にはすることがないという市場でした。

 

しかし、これだけは食べて帰った方がいいというものがあります。

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豆花というおしるこみたいなスイーツ?です。冷たいのを頼んでみたのですが、温かいバージョンにどっさり氷を乗っけたのが「冰」でした。この時期は暖かいのがおすすめです…台北寒いです。

カラフルな甘い餅と真ん中に豆腐が入ってます。あと私は紅豆豆花を頼んだので小豆が入ってますが小豆は薄味。意外なことに台湾の甘い物ってめちゃくちゃ甘いのに薄味が多くて、そんな台湾スイーツに甘いのか薄いのかどっちだよ!と普段かなり怒ってますがこれはいけました。なんか安心する味。店員は怖かったけど。

 

豆花まで食べたら日暮れを待つだけでした。散策してみようと歩き回ったら山の頂上に小学校がありました。こんな観光客だらけの、こんなお店だらけの、こんな階段の上に、小学校。子どもたちは心穏やかに勉強できるのだろうか。しかもこの日は水曜日、二二八平和記念日の連休明け平日のど真ん中なので、もちろん先生方の車が停めてありました。

 

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新北市健康促進学校経営「優等」。こんな階段毎日登って登校してたらそうだよね…。

垂れ幕の上の「103年」は「民国103年」の意味です。

 

そんな感じで日が暮れるのを待ち、日が暮れたら絶景ポイントまで行って写真を撮りました。満足しました。

 

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日暮れの時間になると観光客がこのポイントに詰めかけるのでどんなに頑張ってもだれかが映り込むし、どんなに頑張ってよけてもだれかの思い出に映り込んでしまう。そして右向いても左向いても日本人と韓国人ばっかり。こんなに日韓が融合している場所は九份の他に見たことがないです。

 

でも綺麗は綺麗。一見の価値ありです。正直もう一度自分から行きたい!とはならなそうだなと思いましたが友だちの付き合いでなら行くかもしれない。

私の理想の九份の旅行日程は、午前中は台北で観光して美味しいものを食べ、そのあと食後三十分はきっちり休んだ後、午後3時くらいに忠孝復興駅から九份に出発して、ちょうど日暮れ頃に着き、夜景と小吃を楽しんだらバスが激混みになる前に帰る。無駄なエネルギーと無駄な時間を一切使わず効率的に少ない旅行日程の中に九份をねじ込むことができると思います。ぜひ参考にしてください(笑)

 

ちなみに帰りのバスはかなり混みます。高速走るし座って乗れないお客さんは乗せないだろう、という考えは甘いです。バスの運転手さんに乗る前に「台北まで!」と言うと乗せてくれますが立ち乗りです。なぜなら高速に乗る前に地元のお客さんが降車して台北行きのお客さんだけが残るように計算されているからです。それまでは立ち乗り。しかももちろんつり革もつかむものも何もない。どこにも掴まれないまま九份の坂を下るスリリングな旅を楽しみました。

 

と、ボロクソ言いましたが悪いところではないです。

一回行ってみてください。時間が合えば九份を舞台にした映画「非情都市」も観ることができるし、美味しいものもたくさんあります。片道1時間のバスの中で見る景色も台北とは大違いで面白いし、地元の人の生活の様子をチラ見できるのも面白い。ハプニングや不便さを楽しむことができる余裕も忘れずに行くなら台湾旅行の必須コースです。